2003年12月26日にイランの町バムを破壊した地震では、断層上でのすべりの大部分は比較的浅いところで起きているが、地表では全くすべりが起きていないことが明らかになった。 Y Fialkoたちは、欧州宇宙機関のエンビサット衛星で得られたデータを用いて、地震の前後で大地がどのように動いたかを正確に描写する断層帯の画像を作った。彼らの計算によれば、地震エネルギーの大部分は地下4〜5キロメートルという比較的浅いところで解放されたが、それにもかかわらず破壊は地表まで達しなかったらしい。 著者たちは、断層全体にわたって連続的に変位を追うことに成功し、浅発地震の際に地表近くですべりが全く起きていないことを示す確かな証拠を、初めて提供することができた。今回の結果は、以前の研究から仮定されていた「浅部すべり欠損」の実在を立証しており、この欠損が地震の起きていない期間に浅部地殻で分散して破壊が起きて生じたことが示される。