Nature ハイライト 物理:光格子時計で時間計測を新しい限界へ 2005年5月19日 Nature 435, 7040 トラップされた原子雲を使って、今まで作製された中で最も精確な時計ができるかもしれない。 現在利用できる最も精確な時計は、非常に特殊な周波数の高周波を使ってセシウム原子の電子をフリップアップ・フリップダウンさせている。この周波数すなわち時計の「振り子」がずれると、直ちに補正され、原子時計は規則的に時間を刻み続ける。このような時計は1015分の1の精度を持つ。 今回香取秀俊たちは、レーザーで生成した格子中にストロンチウム原子をトラップして保ち、同様に正確な計時が実現できることを報告している。しかし、セシウム時計とは異なり、このシステムは1018分の1の精度を持つ可能性がある。 「このような時計によって、精密な時間計測に基づく衛星ナビゲーションや広帯域の同期などの技術が進歩するだろう」とT UdemがNews and Viewsで述べている。 2005年5月19日号の Nature ハイライト 地球:人工衛星が明らかにした浅発地震の力学 考古:ヨーロッパ最古の現生人類の骨 医学:精巣癌遺伝子の同定 宇宙:電波で捉える宇宙の謎の正体 物理:光格子時計で時間計測を新しい限界へ : 目次へ戻る