Nature ハイライト

構造生物学:モジュール型ポリケチド合成酵素の構造

Nature 510, 7506

ポリケチド合成酵素(PKS)はポリケチドの産生に関わる多ドメイン酵素複合体で、ポリケチドは二次代謝産物、つまり天然物の主要な一群を占めている。G Skiniotisたちの2つの論文では、放線菌目の細菌Streptomyces venezuelae由来でピクロマイシン生合成に関わっている完全長多酵素PKSの無傷状態モジュールについて、異なる機能状態にある場合の構造が低温電子顕微鏡法を用いて調べられている。これらの構造から、触媒サイクルの間にケトシンターゼ、アシルトランスフェラーゼ、ケトレダクターゼとアシルキャリヤータンパク質(ACP)の各ドメインが相互作用する仕組みが明らかになった。ACPの配置は各反応状態で異なり、次の触媒段階で働くモジュールへの中間体の輸送を促進するような位置を占めている。

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