Nature ハイライト
構造生物学:モジュール型ポリケチド合成酵素の構造
Nature 510, 7506
ポリケチド合成酵素(PKS)はポリケチドの産生に関わる多ドメイン酵素複合体で、ポリケチドは二次代謝産物、つまり天然物の主要な一群を占めている。G Skiniotisたちの2つの論文では、放線菌目の細菌Streptomyces venezuelae由来でピクロマイシン生合成に関わっている完全長多酵素PKSの無傷状態モジュールについて、異なる機能状態にある場合の構造が低温電子顕微鏡法を用いて調べられている。これらの構造から、触媒サイクルの間にケトシンターゼ、アシルトランスフェラーゼ、ケトレダクターゼとアシルキャリヤータンパク質(ACP)の各ドメインが相互作用する仕組みが明らかになった。ACPの配置は各反応状態で異なり、次の触媒段階で働くモジュールへの中間体の輸送を促進するような位置を占めている。
2014年6月26日号の Nature ハイライト
核物理学:ゼロ知識による核安全保証
構造生物学:tRNAが選択を誤らないように指令するのは変則的な塩基対
構造生物学:モジュール型ポリケチド合成酵素の構造
物理学:ビッグGへの新しい道
ナノ材料:単層カーボンナノチューブの新しい作製法
気候科学:グリーンランド氷床の過去の崩壊
神経科学:学習へのプルキンエ細胞スパイクの関わり
幹細胞:成人糖尿病患者の体細胞を再プログラム化
がん:髄芽腫のゲノミクス/エピゲノミクス