Nature ハイライト
ナノ材料:単層カーボンナノチューブの新しい作製法
Nature 510, 7506
単層カーボンナノチューブ(SWNT)は多くの優れた材料特性を示し、そうした特性はSWNTの厳密な構造に敏感に依存する。この構造と機能の関係を十分活用できるのは、構造的に純粋なSWNTが入手できる場合だけである。しかし、1種類のSWNTのみを作ることは、まだ相当に難しい。今回F Yangたちは、単一種類のSWNTのみを、固体タングステン–コバルト合金ナノ粒子を触媒として用いて、カイラリティー特異的に成長させる方法について報告している。この場合、タングステン成分により触媒構造が高温でも安定に保たれ、コバルトが効率的な触媒となる。この方法を最適化すれば選択性がさらに向上し、構造的に純粋なSWNT試料が得られると考えられ、こうした特異な材料の用途が広がり、実用化に向けて開発が進む可能性がある。
2014年6月26日号の Nature ハイライト
核物理学:ゼロ知識による核安全保証
構造生物学:tRNAが選択を誤らないように指令するのは変則的な塩基対
構造生物学:モジュール型ポリケチド合成酵素の構造
物理学:ビッグGへの新しい道
ナノ材料:単層カーボンナノチューブの新しい作製法
気候科学:グリーンランド氷床の過去の崩壊
神経科学:学習へのプルキンエ細胞スパイクの関わり
幹細胞:成人糖尿病患者の体細胞を再プログラム化
がん:髄芽腫のゲノミクス/エピゲノミクス