Nature ハイライト
		
		
        
		
		物理学:ビッグGへの新しい道
Nature 510, 7506
ニュートンの重力定数Gは、万有引力定数、あるいは「ビッグG」とも呼ばれており、2つの物体間の重力を計算する際に使われる基礎物理定数である。高精度にGを測定する方法はいくつかあるが、そうした測定の結果は一致していない。これはおそらく、各実験ごとに不明の誤差が介在しているためだろう。G Rosiたちは、こうした食い違いを生じる系統誤差を突き止め、最終的には除去することを目的として、レーザー冷却原子による量子干渉法を使ってGの高精度測定を行った。この実験は、これまでの測定とは根本的に異なるものである。そして、約0.015%の精度でGの値が得られたが、この精度はこれまでの測定結果とほぼ等しく、さらに相当改善できると見込まれる。この結果でも、測定結果の不一致という問題はまだ解決されないが、こうした根本的に異なる手法を使えば、これまでの測定を悩ませてきた系統誤差を明らかにできると期待される。
2014年6月26日号の Nature ハイライト
- 核物理学:ゼロ知識による核安全保証
- 構造生物学:tRNAが選択を誤らないように指令するのは変則的な塩基対
- 構造生物学:モジュール型ポリケチド合成酵素の構造
- 物理学:ビッグGへの新しい道
- ナノ材料:単層カーボンナノチューブの新しい作製法
- 気候科学:グリーンランド氷床の過去の崩壊
- 神経科学:学習へのプルキンエ細胞スパイクの関わり
- 幹細胞:成人糖尿病患者の体細胞を再プログラム化
- がん:髄芽腫のゲノミクス/エピゲノミクス


