Nature ハイライト
Cover Story:羽毛が先、飛翔は後:11番目の始祖鳥化石に見られる全身を覆う羽毛は、羽毛が飛翔のために生じたのではないことを示唆している
Nature 511, 7507
羽毛恐竜や初期鳥類が多数発見されたことで、「最初の鳥」として象徴的に扱われてきた始祖鳥(Archaeopteryx)は、さらに大きな枠組みの中に位置付けられている。しかし、この由緒ある分類群には、まだ驚きが隠されている。ドイツ・バイエルン州ゾルンホーフェンの石灰岩から新たに発見された標本は、1861年に最初に発見されたものから数えてまだ11番目というもので、全身がたっぷりの羽毛で覆われていたことを示している。特に注目すべきは、羽毛の「ズボン」に似たもので覆われている後足である。肢や尾部の羽毛の分布状況の解析は、現存する鳥類でおなじみとなっている大羽が、飛翔以外の理由、おそらくはディスプレイのために進化したことを強く示唆している。
2014年7月3日号の Nature ハイライト
進化:進化的な指減少の機序
構造生物学:グラム陰性細菌の膜構造
宇宙:近接して三重星をなすブラックホール
超伝導:常伝導状態の基底状態の探索
光物理学:非線形光学の視野を広げる
量子物理学:制御可能なハイブリッドキュービット
古海洋学:退氷期における深海の事象
発生生物学:X染色体の不活性化機構
免疫学:自然免疫を標的とする結核治療