Nature ハイライト
古海洋学:退氷期における深海の事象
Nature 511, 7507
ベーリング・アレレード温暖期は、約1万4700年前に起こった事象で、最終氷期末期の区切りとなる、重要な気候事象の1つであるが、それをもたらした物理的機構はまだ分かっていない。N Thiagarajanたちは、サンゴのデータセットを用いて、当時の海洋の中層循環を調べた。このデータから、おそらく南半球を起源とする暖水層が、ベーリング・アレレード温暖期に先立つハインリッヒ亜氷期1の寒冷期に、北大西洋深部に存在していたことが示唆された。この暖水は、活発な海洋循環の再開をもたらす熱源としての役割を果たした。
2014年7月3日号の Nature ハイライト
進化:進化的な指減少の機序
構造生物学:グラム陰性細菌の膜構造
宇宙:近接して三重星をなすブラックホール
超伝導:常伝導状態の基底状態の探索
光物理学:非線形光学の視野を広げる
量子物理学:制御可能なハイブリッドキュービット
古海洋学:退氷期における深海の事象
発生生物学:X染色体の不活性化機構
免疫学:自然免疫を標的とする結核治療