Nature ハイライト
超伝導:常伝導状態の基底状態の探索
Nature 511, 7507
銅酸化物系高温超伝導の発見から数十年たつが、超伝導状態に変わる前の常伝導状態の正体は、いまだに謎のままである。今回、S Sebastianたちは、アンダードープ銅酸化物YBa2Cu3O6 + xの角度分解量子振動測定を行うことによって、謎の解明に向けて一歩を踏み出した。測定の結果から、超伝導ギャップが最小になるノード近傍にフェルミ面ポケットを持つ常伝導状態の基底状態が明らかになった。さらに、この領域に、電子的(electron-like)ポケットが形成される原因となる二軸超格子構造が突き止められた。
2014年7月3日号の Nature ハイライト
進化:進化的な指減少の機序
構造生物学:グラム陰性細菌の膜構造
宇宙:近接して三重星をなすブラックホール
超伝導:常伝導状態の基底状態の探索
光物理学:非線形光学の視野を広げる
量子物理学:制御可能なハイブリッドキュービット
古海洋学:退氷期における深海の事象
発生生物学:X染色体の不活性化機構
免疫学:自然免疫を標的とする結核治療