Nature ハイライト
Cover Story:最もよく通る道:量子空間を通る最適経路を決める
Nature 511, 7511
表紙は、量子状態空間中の2点をつなぐ1つ1つの量子トラジェクトリーを描いている。古典系は測定を行っても動くことはないが、量子系はそうではなく、連続的な監視を行えば量子状態をランダムな経路に沿って方向付けられる。S Weberたちは、シリコン上に堆積させた調節可能なジョセフソン接合により接続した2個のアルミニウムパドルからなるキュービットで量子トラジェクトリーを追跡した。初期量子状態と終量子状態との間に存在し得る経路の内のどれが最も確率が高いものとなるかが決定され、このような「最適経路」は、古典力学で時空間中の2点をつなぐ正しい経路を規定する最小作用の原理の量子版によって予測される経路と一致することが示された。この研究は、測定ダイナミクスと系の発展との間の相互作用に関する手がかりを与えるだけでなく、複雑な量子系や情報処理の際の制御シーケンスの第一原理合成について新しい可能性を開くものだ。
2014年7月31日号の Nature ハイライト
がん:肺がんゲノムの解析
構造生物学:減数分裂時の乗換え抑制機構
構造生物学:クラスC Gタンパク質共役受容体の構造
古気候:海洋循環の変化に先行して南極大陸は氷に覆われた
地球:広範囲にわたって地表が作り直されて隠された冥王代地球の歴史
医学:PTEXはマラリアタンパク質の輸送に必須である
神経科学:視覚野の微妙なバランス
医学:インターフェロンはSIV感染で2通りの働きをする
エピジェネティクス:初期胚におけるDNAのメチル化