Nature ハイライト
医学:インターフェロンはSIV感染で2通りの働きをする
Nature 511, 7511
サル免疫不全ウイルス(SIV)に曝露されたアカゲザルで、I型インターフェロン(IFN-I)が2通りの働きをすることが今回明らかになった。IFN-Iは感染の発症時には効果があるが、感染が進行すると有害な働きをするようになる。IFN-I受容体の働きを阻害すると、血漿中ウイルス量が増加し、CD4 T細胞減少が加速され、エイズへの進行が促進される。直腸内に高用量のSIVを投与する前にIFN-α2aを投与すると、全身感染に対する抵抗性が上昇する。しかしIFN-α2aを投与し続けると、IFN-Iに対する脱感作が引き起こされ、SIV感染が起こりやすくなる。SIV感染に対するIFNの投与では炎症誘発性の抗ウイルス効果と抗炎症性の影響のバランスの見極めが必要なようだ。
2014年7月31日号の Nature ハイライト
がん:肺がんゲノムの解析
構造生物学:減数分裂時の乗換え抑制機構
構造生物学:クラスC Gタンパク質共役受容体の構造
古気候:海洋循環の変化に先行して南極大陸は氷に覆われた
地球:広範囲にわたって地表が作り直されて隠された冥王代地球の歴史
医学:PTEXはマラリアタンパク質の輸送に必須である
神経科学:視覚野の微妙なバランス
医学:インターフェロンはSIV感染で2通りの働きをする
エピジェネティクス:初期胚におけるDNAのメチル化