Nature ハイライト
神経科学:視覚野の微妙なバランス
Nature 511, 7511
哺乳類感覚野でのシナプス興奮と抑制のバランス(E/I比という)は、感覚情報処理にも認知機能にも重要な影響を持つ。しかしE/I比が確立、維持される機構についてはいまだにほとんど分かっていない。各皮質ニューロンが、それぞれ自身のE/I比を調節することができるのか、あるいは錐体細胞集団全体でE/I比は一定に保たれるのかどうかは不明である。今回、M Scanzianiたちは、マウスの一次視覚野について調べ、シナプスの興奮と抑制の大きさは錐体細胞ごとに大きく異なるにもかかわらず、E/I比は錐体細胞全体にわたって非常によく似ていることを示した。これは、パルブアルブミン発現介在ニューロンによる抑制の適合に起因しており、ソマトスタチン発現介在ニューロンはこれに関与していない。
2014年7月31日号の Nature ハイライト
がん:肺がんゲノムの解析
構造生物学:減数分裂時の乗換え抑制機構
構造生物学:クラスC Gタンパク質共役受容体の構造
古気候:海洋循環の変化に先行して南極大陸は氷に覆われた
地球:広範囲にわたって地表が作り直されて隠された冥王代地球の歴史
医学:PTEXはマラリアタンパク質の輸送に必須である
神経科学:視覚野の微妙なバランス
医学:インターフェロンはSIV感染で2通りの働きをする
エピジェネティクス:初期胚におけるDNAのメチル化