Nature ハイライト
エピジェネティクス:初期胚におけるDNAのメチル化
Nature 511, 7511
DNAメチル化の全体的なパターンは、哺乳類の始原生殖細胞や初期胚発生では徹底的に再プログラム化される。この再プログラム化はマウス胚ではよく調べられているが、ヒト胚におけるDNAメチル化動態の詳細な解明はまだ行われていない。今回、2編の論文で、ヒトゲノムのほとんどからDNAメチル化が受精後ただちに大規模に失われることが報告され、このエピジェネティックな再プログラム化が、発生の進化的に保存された特徴であることが確認された。H Guoたちは、ヒト配偶子について、いくつかの胚発生段階での一塩基分解能のDNAメチル化マップを作製した。Z Smithたちは、ヒト胚発生初期の複数の発生段階、およびヒト胚性幹細胞株の誘導中について、同様のメチル化マップを作製した。これらの研究は、マウスとヒトでのメチル化動態の違い、およびDNAメチル化と遺伝子発現や転位性因子との間の機能的関連性についての手がかりをもたらす。
2014年7月31日号の Nature ハイライト
がん:肺がんゲノムの解析
構造生物学:減数分裂時の乗換え抑制機構
構造生物学:クラスC Gタンパク質共役受容体の構造
古気候:海洋循環の変化に先行して南極大陸は氷に覆われた
地球:広範囲にわたって地表が作り直されて隠された冥王代地球の歴史
医学:PTEXはマラリアタンパク質の輸送に必須である
神経科学:視覚野の微妙なバランス
医学:インターフェロンはSIV感染で2通りの働きをする
エピジェネティクス:初期胚におけるDNAのメチル化