Nature ハイライト
神経科学:うつ病におけるβカテニンの役割
Nature 516, 7529
転写調節因子のβカテニンは、うつ病などの神経精神疾患に関係するといわれている。E Nestlerたちは今回、マウスで、脳の重要な報酬系領域である側坐核に存在するD2タイプの中型有棘ニューロンのβカテニンが、ストレスへのレジリエンス(精神的回復力)に関与していることを示した。うつ病患者の死後脳組織や、慢性ストレスにさらされたマウスの脳では、βカテニンの転写活性が低下している。著者たちはまた、Dicer1がβカテニンの重要な標的遺伝子の1つで、レジリエンスの調節に関与していることを突き止め、成熟した脳で働くマイクロRNAプロセシング過程に対する新規な調節機構の存在を示している。
2014年12月4日号の Nature ハイライト
神経科学:うつ病におけるβカテニンの役割
幹細胞:多能性細胞に見られる遺伝子発現の多様性
細胞生物学:重要な細菌呼吸鎖酵素
宇宙物理学:星形成の自己制限的な性質
超伝導:YBa2Cu3O6+x超伝導体の構造
材料科学:変形できるエネルギー貯蔵用材料
行動経済学:銀行員を信じられるとき
植物科学:オーキシンが植物の細胞骨格に作用する仕組み
微生物学:頼りになる腸内ウイルス
細胞生物学:核内受容体によるオートファジーの制御