Nature ハイライト
微生物学:頼りになる腸内ウイルス
Nature 516, 7529
ヒトの腸内共生細菌が生理機能や健康に重要な影響を及ぼしていることは、現在広く認識されている。これに対し、真核生物を宿主とするウイルスと哺乳類宿主の関係についてはほとんど研究されていない。今回、腸内微生物相に属するウイルスが、ヒトの腸内常在菌と同様に、宿主に有益な影響を及ぼして共生関係を築けることが示された。K Cadwellたちは、腸に感染するマウスノロウイルス(MNV)のさまざまな株をマウスに持続感染させると、腸の形態やリンパ球の異常を回復できることを明らかにしている。さらに、感染や化学物質による腸管損傷モデルでは、抗生物質投与によって生じた有害な影響が、MNV感染によって解消された。
2014年12月4日号の Nature ハイライト
神経科学:うつ病におけるβカテニンの役割
幹細胞:多能性細胞に見られる遺伝子発現の多様性
細胞生物学:重要な細菌呼吸鎖酵素
宇宙物理学:星形成の自己制限的な性質
超伝導:YBa2Cu3O6+x超伝導体の構造
材料科学:変形できるエネルギー貯蔵用材料
行動経済学:銀行員を信じられるとき
植物科学:オーキシンが植物の細胞骨格に作用する仕組み
微生物学:頼りになる腸内ウイルス
細胞生物学:核内受容体によるオートファジーの制御