Nature ハイライト
行動経済学:銀行員を信じられるとき
Nature 516, 7529
金融業界の風土には非倫理的な商慣行が広まっているというのが一般大衆の意見である。E Fehrたちは、その主張を裏付ける科学的証拠を探した。彼らは、不誠実な行為を明らかにするようにデザインされた実験的ゲームで、大手国際銀行の従業員も一般の人々とだいたい同程度に誠実に行動することを明らかにした。しかし、銀行業の競争的な本質を模倣するようにデザインされたテストでは、銀行員の多くが不誠実にふるまい始めた。他の産業の従事者および学生のボランティアにはこのような影響は見られなかった。金融機関が世間からの信頼を回復しようとするならば、銀行員の職業的アイデンティティーに関わる規範を変えることにより誠実な行動を奨励する必要があると著者らは結論付けている。
2014年12月4日号の Nature ハイライト
神経科学:うつ病におけるβカテニンの役割
幹細胞:多能性細胞に見られる遺伝子発現の多様性
細胞生物学:重要な細菌呼吸鎖酵素
宇宙物理学:星形成の自己制限的な性質
超伝導:YBa2Cu3O6+x超伝導体の構造
材料科学:変形できるエネルギー貯蔵用材料
行動経済学:銀行員を信じられるとき
植物科学:オーキシンが植物の細胞骨格に作用する仕組み
微生物学:頼りになる腸内ウイルス
細胞生物学:核内受容体によるオートファジーの制御