Nature ハイライト
幹細胞:多能性細胞に見られる遺伝子発現の多様性
Nature 516, 7529
多能性幹細胞は、異なる準安定状態の間を動的に切り替わることが知られているが、それらの状態を指定し、その状態間の移行を支配する遺伝子調節ネットワークについてはよく分かっていない。G Daleyたちは今回、化学的および遺伝学的撹乱を受けたマウス多能性幹細胞の単一細胞発現プロファイリングにより、転写ネットワークが動的に再構成されて、異なる多能性状態が誘導される仕組みを明らかにした。遺伝子発現の高度な多様性は、細胞分裂を経て引き継がれ得ることが分かった。また、マイクロRNAの調節あるいは外部からのシグナル伝達経路の調節が遺伝子発現の不均一性を低下させ、独特のエピジェネティック状態を誘導することも明らかになった。
2014年12月4日号の Nature ハイライト
神経科学:うつ病におけるβカテニンの役割
幹細胞:多能性細胞に見られる遺伝子発現の多様性
細胞生物学:重要な細菌呼吸鎖酵素
宇宙物理学:星形成の自己制限的な性質
超伝導:YBa2Cu3O6+x超伝導体の構造
材料科学:変形できるエネルギー貯蔵用材料
行動経済学:銀行員を信じられるとき
植物科学:オーキシンが植物の細胞骨格に作用する仕組み
微生物学:頼りになる腸内ウイルス
細胞生物学:核内受容体によるオートファジーの制御