Nature ハイライト 進化:エチオピアにいた最古のホモ・サピエンス 2005年2月17日 Nature 433, 7027 エチオピアのキビシュで出土したホモ・サピエンスの2つの頭骨について新たな解析が行われ、知られるうちで最古の現生人類のものであることが確認された。これらの化石は、現生人類(つまり現代人)が出現したころにあたる、約19万5,000年前のものと算定された。オモ1号とオモ2号と名づけられたこれらの化石は1967年に発見された(最初の記載報告はNatureに掲載された)が、1号と2号が同じ年代のものかどうかは専門家の間でも意見が分かれていた。オモ1号の特徴は2号に比べると明らかに「現代人的」だからだ。ところが今週号に掲載のI McDougallたちの報告によると、これらの化石が見つかった岩の年代測定から、2つが実際に同一年代のもので、しかも現生人類として最古の化石であることがわかった。化石があった岩の、アルゴン元素の不安定同位体の崩壊率をMcDougallたちが調べたところ、得られた平均測定年代はおよそ19万5,000年前となったのである。ただし、これらの化石がもっと現在に近く、10万4,000年前のものである可能性も排除できないという。 2005年2月17日号の Nature ハイライト 進化:エチオピアにいた最古のホモ・サピエンス 老化:循環系は若さの泉? 物理:シリコンレーザーが光る 生態:ライチョウの寄生虫はお天気しだい 視覚:細胞を光受容器に形質転換 : 目次へ戻る