Nature ハイライト

幹細胞:誘導された多能性の違いを読み取る

Nature 516, 7530

Project Grandioseコンソーシアムは今回、転写因子群を使った体細胞の再プログラム化による多能性獲得に伴うタンパク質、DNAおよびRNAの変化の特徴を解析し、その結果をNatureの2報の論文とNature Communicationsの3報の論文で報告している。A NagyたちはNatureの最初の論文で、マウス胚性繊維芽細胞に再プログラム化因子群を高レベルで発現させると、それらの細胞が別の安定な多能性状態に到達することを示し、その培養系細胞コロニーの外観が「fuzzy(境界が不明瞭)」であることから、この状態をFクラスと名付けた。NagyたちはさらにNatureの2報目の論文で、トランスクリプトーム、エピゲノムおよびプロテオームのデータセットの広範囲にわたる解析から、多能性に至る複数の経路を明らかにし、それらの経路は異なる別々のエピジェネティックな事象で特徴付けられることを示している。また、News & ViewsではJ Belmonteたちが、5報の論文全ての結果を最近の他の研究に照らして検討し、さらに別の多能性状態が存在する可能性についても考察している。

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