Nature ハイライト
古生物学:陡山沱の微化石の謎
Nature 516, 7530
「カンブリア大爆発」直前のエディアカラ紀(約6億年前)は、進化学的に重要な時代であるが、分かっていることは極めて少なく、エディアカラ化石群を分類しようとする試みはそのほとんどが全く進んでいない。中国の陡山沱(Doushantuo)のリン灰土から見つかる微化石は特に不可解な存在で、細菌から原生生物、藻類、さらには動物の初期胚に至るさまざまな解釈がなされてきた。S Xiaoたちが今回報告している陡山沱リン灰土の新たな球状微化石には、細胞分化、プログラム細胞死、および体細胞と生殖細胞の分離を示す明らかな証拠が認められるが、それ以外は既知のいかなる生物群とも類似点がない。これらの化石は、現在の地球上の生物とは全く似たところがない多細胞生物で起こった未知の「実験」の痕跡であると考えられる。
2014年12月11日号の Nature ハイライト
幹細胞:誘導された多能性の違いを読み取る
構造生物学:塩素イオンチャネルの構造
惑星科学:太陽類似星ができるには時間がかかる
技術:クモをまねたひずみセンサーの登場
材料科学:プロトンはグラフェンをあっさり通る
古生物学:陡山沱の微化石の謎
分子進化学:DNAの挿入を阻止するための戦い
細胞生物学:MapZが細胞分裂タンパク質FtsZを導く
細胞生物学:生細胞でのヒストン修飾