Nature ハイライト
技術:クモをまねたひずみセンサーの登場
Nature 516, 7530
生体模倣に関してクモが引き合いに出されるのは、クモの糸の優れた引張強さに関する場合が多い。しかし今回、M Choiたちは、クモの巣に生じた振動をクモが検出するのに使う細隙器官からヒントを得て、ナノスケールの亀裂を利用する機械的センサーを開発した。このセンサーは、柔軟な高分子シート上に置かれた白金薄層からなり、この白金層に小さい亀裂の発生が制御される。振動と圧力変化は、亀裂が開閉する際の白金シートの伝導率変化として測定される。このデバイスの可能性が、羽ばたくテントウムシを検出できるピクセル構成センサーや、音楽を測定し、再生できる柔軟なセンサーなど、さまざまな例によって実証された。このセンサーは、音声認識や生理学的信号の監視などの目的のため、ヒトの皮膚に容易に装着できる。
2014年12月11日号の Nature ハイライト
幹細胞:誘導された多能性の違いを読み取る
構造生物学:塩素イオンチャネルの構造
惑星科学:太陽類似星ができるには時間がかかる
技術:クモをまねたひずみセンサーの登場
材料科学:プロトンはグラフェンをあっさり通る
古生物学:陡山沱の微化石の謎
分子進化学:DNAの挿入を阻止するための戦い
細胞生物学:MapZが細胞分裂タンパク質FtsZを導く
細胞生物学:生細胞でのヒストン修飾