Nature ハイライト

神経科学:世界を理解する仕組み

Nature 513, 7517

脳の感覚領域が周囲の環境を理解しようとする際には、単に外部からの刺激を処理するだけでなく、運動指令など内部から発せられる神経信号も処理しなくてはならない。R Mooneyたちは、自由行動中のマウスで、運動信号が聴覚皮質活動に影響を及ぼす際のシナプス機構・回路機構の特徴を調べた。体移動やグルーミング、発声の間、聴覚皮質の興奮性ニューロンは活動を下げ、この低下は抑制性介在ニューロンの活動増加と平行していた。聴覚皮質に向けて長距離投射する二次運動皮質のニューロンの活動を光遺伝学的に変動させるだけで、聴覚皮質の感覚誘発活動が変化した。この知見から、動物自身の動作と外界の感覚信号とが統合されて聴覚を助け得る仕組みの回路機構が明らかになった。

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