Nature ハイライト
神経科学:世界を理解する仕組み
Nature 513, 7517
脳の感覚領域が周囲の環境を理解しようとする際には、単に外部からの刺激を処理するだけでなく、運動指令など内部から発せられる神経信号も処理しなくてはならない。R Mooneyたちは、自由行動中のマウスで、運動信号が聴覚皮質活動に影響を及ぼす際のシナプス機構・回路機構の特徴を調べた。体移動やグルーミング、発声の間、聴覚皮質の興奮性ニューロンは活動を下げ、この低下は抑制性介在ニューロンの活動増加と平行していた。聴覚皮質に向けて長距離投射する二次運動皮質のニューロンの活動を光遺伝学的に変動させるだけで、聴覚皮質の感覚誘発活動が変化した。この知見から、動物自身の動作と外界の感覚信号とが統合されて聴覚を助け得る仕組みの回路機構が明らかになった。
2014年9月11日号の Nature ハイライト
化学:構造がはっきりしている複雑分子のアセンブリーライン合成
神経科学:世界を理解する仕組み
がん:胃腺がんを4つに分類する
宇宙:クエーサーのばらつきの原因
材料:単層二硫化タングステンにおける励起子過程
大気科学:大気中のヒドロキシルラジカルの南北分布
環境:道路建設のロードマップ
植物科学:植物での気孔形成の制御
構造生物学:TARBP2は転移抑制タンパク質を不安定化する
構造生物学:光化学系IIの構造のX線を使って得られたスナップショット