Nature ハイライト
気候科学:鮮新–更新世の気候感度
Nature 518, 7537
気候感度は、単位放射強制力の変化に応答する全球平均温度の変化の度合いであり、過去と将来の気候変化を解明する際の主な不確定要因の1つとなっている。例えば、気候感度が平均的な気候状態そのものに依存して変化する可能性を示唆する研究がいくつかある。しかし今まで、更新世の氷床コアによって得られる記録より前の時代の、大気中二酸化炭素の高分解能記録が十分になかったため、鮮新世のような温暖期の気候感度の評価はできなかった。今回、M Martínez-Botíたちは、深海堆積物のホウ素同位体データから得られた鮮新世の二酸化炭素変動の新たな記録を提示している。更新世には大規模な氷床が存在したことを考慮すると、気候感度は鮮新世の時代から変化しておらず、現在使われている推定値は将来の気候の予測に適していることが示唆される。
2015年2月5日号の Nature ハイライト
気候科学:鮮新–更新世の気候感度
生物工学:より安全なGMOを作るための2つのルート
細胞生物学:SNAREタンパク質の回収機構
構造生物学:グルタミン酸輸送体の機構
有機化学:C–H結合をC–Si結合に変換
地震学:テクトニックプレート下の断面画像
生態学:変化に対するサンゴ礁の適応
細胞生物学:細胞小器官を光で手軽に操作する
生化学:硫黄を含む生体分子の生合成