Nature ハイライト
		
		
        
		
		生化学:硫黄を含む生体分子の生合成
Nature 518, 7537
天然物、つまり二次代謝産物中に見つかる硫黄原子が生合成の際にどこから取り込まれるのかはよく分かっていない。マイコチオール(MSH)はグラム陽性放線菌で見られるシステイニル含有疑似二糖で、このチオール含有化合物が求電子性の毒素と結合することで、毒素の細菌細胞からの放出が促進される。放線菌は、また別のチオールであるエルゴチオネイン(EGT)も産生しており、これは機能が不明のヒスチジンベタイン誘導体である。今回、MSHとEGTがリンコマイシンAの生合成で重要な役割を担っていることが示された。硫黄を含む抗生物質であるリンコマイシンAは、重篤なグラム陽性細菌感染で、ペニシリン系抗生物質による治療を受けられない場合の治療に用いられている。
2015年2月5日号の Nature ハイライト
- 気候科学:鮮新–更新世の気候感度
- 生物工学:より安全なGMOを作るための2つのルート
- 細胞生物学:SNAREタンパク質の回収機構
- 構造生物学:グルタミン酸輸送体の機構
- 有機化学:C–H結合をC–Si結合に変換
- 地震学:テクトニックプレート下の断面画像
- 生態学:変化に対するサンゴ礁の適応
- 細胞生物学:細胞小器官を光で手軽に操作する
- 生化学:硫黄を含む生体分子の生合成


