Nature ハイライト
細胞生物学:SNAREタンパク質の回収機構
Nature 518, 7537
進化的に保存されたタンパク質であるSNAREは、神経伝達物質放出やホルモン分泌、小胞輸送などのさまざまな細胞内過程で、2つの細胞区画の膜の融合を引き起こす複合体を形成する。このような複合体は、融合が1回起こるとATPアーゼであるNSFとSNAPアダプタータンパク質によって分解され、個々のSNAREは次の膜融合のために回収される。今回単一粒子低温電子顕微鏡法を使って、NSFと20S複合体の構造が原子レベルからサブナノメートルレベルの分解能で決定された。明らかにされたのは、ATPあるいはADPと結合した状態の完全長NSFの構造と、2種類の異なるSNARE複合体を含む、約660キロダルトンのNSF/SNAP/SNARE (20S)超複合体の構造である。今回得られたデータにより、これらの非常に重要な分子機械の内部動作が、これまでよりずっと詳しく分かってきた。
2015年2月5日号の Nature ハイライト
気候科学:鮮新–更新世の気候感度
生物工学:より安全なGMOを作るための2つのルート
細胞生物学:SNAREタンパク質の回収機構
構造生物学:グルタミン酸輸送体の機構
有機化学:C–H結合をC–Si結合に変換
地震学:テクトニックプレート下の断面画像
生態学:変化に対するサンゴ礁の適応
細胞生物学:細胞小器官を光で手軽に操作する
生化学:硫黄を含む生体分子の生合成