Nature ハイライト
神経科学:昆虫は自分の位置をどのように知るか
Nature 521, 7551
昆虫の脳が、ナビゲーションの際に視覚的な目印と経路統合を結び付ける仕組みは分かっていない。今回、J Seelig とV Jayaramanは、つながれてバーチャルリアリティー空間内を歩くハエの脳のカルシウム画像化を行い、脳の「楕円体」を覆うように樹状突起を張り巡らせたニューロン群が、視覚目印とハエ自身の回転の情報を使って移動方向を計算していることを見いだした。哺乳類脳では「頭部方向(head-direction)」ニューロンが空間ナビゲーションに寄与していることが知られているが、これは無脊椎動物にも同様な機構があることを示す最初の証拠である。
2015年5月14日号の Nature ハイライト
進化:真核生物の性質を備えた古細菌
神経科学:飢餓と口渇に対する混合した応答
神経科学:昆虫は自分の位置をどのように知るか
宇宙物理学:星形成はガスの流入が遮断されて止まる
超伝導:謎めいた電子対
量子物理学:自由電子の量子制御
植物科学:MAPKを活性化するもう1つの方法
発生生物学:YAPタンパク質が組織に形態を与える
分子生物学:Xistの遺伝子サイレンシング機構
構造生物学:F型ATP合成酵素aサブユニットの構造
構造生物学:酵母V型ATPアーゼの回転状態