Nature ハイライト

神経科学:昆虫は自分の位置をどのように知るか

Nature 521, 7551

昆虫の脳が、ナビゲーションの際に視覚的な目印と経路統合を結び付ける仕組みは分かっていない。今回、J Seelig とV Jayaramanは、つながれてバーチャルリアリティー空間内を歩くハエの脳のカルシウム画像化を行い、脳の「楕円体」を覆うように樹状突起を張り巡らせたニューロン群が、視覚目印とハエ自身の回転の情報を使って移動方向を計算していることを見いだした。哺乳類脳では「頭部方向(head-direction)」ニューロンが空間ナビゲーションに寄与していることが知られているが、これは無脊椎動物にも同様な機構があることを示す最初の証拠である。

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