Nature ハイライト
発生生物学:YAPタンパク質が組織に形態を与える
Nature 521, 7551
組織張力は生物個体レベルで制御され、それによって体の形態や複雑な3次元構造が維持されているが、その仕組みはどのようなものだろうか。今回、古谷-清木誠(英国バース大学)たちは、扁平な体を持つメダカ変異体hirame(hir)について報告している。この表現型は、Hippoシグナル伝達経路の一部であるYAPタンパク質が存在しないことによって引き起こされる内部の力の低下が原因であることが示された。この顕著な効果は、YAPがRho GTPアーゼ活性化タンパク質のARHGAP18の調節を介して、アクトミオシンが生み出す張力を制御することに関連がある。また、YAPはヒト細胞培養系で、この方法により細胞塊の三次元構造も制御している。
2015年5月14日号の Nature ハイライト
進化:真核生物の性質を備えた古細菌
神経科学:飢餓と口渇に対する混合した応答
神経科学:昆虫は自分の位置をどのように知るか
宇宙物理学:星形成はガスの流入が遮断されて止まる
超伝導:謎めいた電子対
量子物理学:自由電子の量子制御
植物科学:MAPKを活性化するもう1つの方法
発生生物学:YAPタンパク質が組織に形態を与える
分子生物学:Xistの遺伝子サイレンシング機構
構造生物学:F型ATP合成酵素aサブユニットの構造
構造生物学:酵母V型ATPアーゼの回転状態