Nature ハイライト
進化:真核生物の性質を備えた古細菌
Nature 521, 7551
真核細胞は原核細胞と大きく異なっているため、真核生物の起源や祖先を解明することは難題である。古細菌は、遺伝学的研究では細菌よりも真核生物の近くに位置付けられるが、生化学的および形態学的には真核生物よりも細菌に近い。しかし今回、T Ettemaたちが北極中央海嶺の海底熱水系Loki’s Castle周辺のコア試料から採取して同定した古細菌は、真核生物の特徴である細胞やゲノムの複雑化を支えるためのゲノムの「スターターキット」としての要件を満たしている。ロキアーキオータ(Lokiarchaeota)と命名されたこの新しい古細菌群は、系統発生解析で真核生物の直接の姉妹群に位置付けられ、真核生物に特徴的なタンパク質のレパートリーを備えている。
2015年5月14日号の Nature ハイライト
進化:真核生物の性質を備えた古細菌
神経科学:飢餓と口渇に対する混合した応答
神経科学:昆虫は自分の位置をどのように知るか
宇宙物理学:星形成はガスの流入が遮断されて止まる
超伝導:謎めいた電子対
量子物理学:自由電子の量子制御
植物科学:MAPKを活性化するもう1つの方法
発生生物学:YAPタンパク質が組織に形態を与える
分子生物学:Xistの遺伝子サイレンシング機構
構造生物学:F型ATP合成酵素aサブユニットの構造
構造生物学:酵母V型ATPアーゼの回転状態