Nature ハイライト

古人類学:中期鮮新世のヒト族の多様性がさらに拡大

Nature 521, 7553

新種<i>Australopithecus deyiremeda</i>の上顎(ホロタイプ)。
新種Australopithecus deyiremedaの上顎(ホロタイプ)。 | 拡大する

Credit: Yohannes Haile-Selassie

中期鮮新世(約350万~330万年前)は、アフリカに生息していたヒト族にとって極めて重要な時期だったと思われる。当時のアフリカには複数のヒト族種が存在しており、またこの時期には道具の使用が始まるとともに、おそらくはヒト属が出現したと考えられている。今回Y Haile-Selassieたちは、新たな中期鮮新世ヒト族としてAustralopithecus deyiremedaを報告している。このヒト族種は、「ルーシー」に代表されるアウストラロピテクス・アファレンシス(Australopithecus afarensis)や、ケニアで見つかったケニアントロプス・プラティオプス(Kenyanthropus platyops)をはじめとする他のヒト族種とほぼ同時期にエチオピアに存在していた。その形態は、より新しいパラントロプス属やヒト属などとこれまで関連付けられていた一部の歯の特徴が、従来考えられていたよりも早く出現したことを示唆している。

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