Nature ハイライト
微生物学:微生物群集の構造
Nature 521, 7553
多数の種からなる微生物群集で、抗生物質の産生による負の相互作用があるにもかかわらず安定性が維持される仕組みを解明することは、微生物生態学の主要な目標の1つである。抗生物質を介した相互作用の生態学モデルの大半は、種間に「じゃんけん」のような三すくみ関係や空間的分離をもたらすペアワイズ関係を想定している。しかしこれは、群集の種が十分に入り混じったin situでの観察結果を反映していない。今回E Kelsicたちは、そうした旧来の想定ではなく、抗生物質を分解できる1種を含む3種間の相互作用で分析する方法を提案している。著者たちはモデル化と実験による検証を合わせて用い、抗生物質を分解できる種を含むことで、微生物系が種の混合した安定状態に向けてロバストに移行できることを示した。
2015年5月28日号の Nature ハイライト
古人類学:中期鮮新世のヒト族の多様性がさらに拡大
がんゲノミクス:薬剤抵抗性のある卵巣がんのゲノム塩基配列解読
天文学:絡まった結び目が駆動する超大質量ブラックホールからのジェット
光学・フォトニクス:固体の極端紫外分光法
気候科学:気候に対する海洋の影響
微生物学:微生物群集の構造
細胞生物学:ミトコンドリアの増えたり減ったりは連動している
細胞生物学:ゴルジ複合体の小管を介する双方向輸送
分子生物学:機能を持ったRISC複合体を再構成
がん:MAD2L2/REV7はゲノムの完全性を促進する