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がん:転移部位への道を開くのはLOX

Nature 522, 7554

腫瘍の中には肺や骨といった特定の組織に転移するものがあるが、多くの場合その理由は不明である。J Erlerたちは今回、乳がんの一部の骨転移は、転移する腫瘍細胞が産生する酵素のリシルオキシダーゼ(LOX)によって駆動されることを明らかにした。LOXは、骨吸収に関わる破骨細胞の形成促進により、骨を傷害する。この損傷部分が血液中を循環する乳がん細胞の着地点となって、がん細胞はそこから増殖して転移巣を作る。従って、LOXの阻害は骨転移を防ぐ方法になる可能性があり、また腫瘍でのLOX発現は、腫瘍の骨転移を起こす傾向を示すバイオマーカーとして使えるかもしれない。

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