Nature ハイライト
Cover Story:新発見の植食性恐竜:ヴェロキラプトルに似た新種の恐竜はティラノサウルスの親戚だが植食性
Nature 522, 7556
表紙は、新発見の恐竜であるChilesaurus diegosuareziが太古のパタゴニアの森林で植物の枝葉を食べているところをGabriel Líoが復元したイラストである。チリ南部アイセンの化石産地から出土したこの恐竜種は、上部ジュラ系(約1億5000万年前)の原始的な獣脚類であると見なされている。ティラノサウルスやヴェロキラプトルが属する獣脚類というグループは一般に二足歩行性であり、後代の高度に派生した種類のものを別にすれば、ほぼ全てが肉食性だった。今回の新種は、獣脚類進化の過程で比較的初期に派生したものでありながら植食性であり、形質の前例のない組み合わせと、恐竜の間で過去に記録されたことのない風変わりな解剖学的構造とを兼ね備えている。今回の発見は、恐竜の進化に関しては、その大筋についてさえ、我々の知識がいかに少ないかをはっきり示している。
2015年6月18日号の Nature ハイライト
気候:太平洋の海流に関する現在の考え
神経科学:空間記憶の性質
感染症:新たな抗マラリア薬
惑星科学:小さな系外惑星の構造
有機金属化学:カルボニル付加物を形成する非遷移金属
神経科学:快い記憶はうつ様行動を抑える
神経変性:シヌクレインのバリアントが異なる病態を引き起こす
がん:METの抗腫瘍作用
細胞生物学:小胞体ファジー受容体の存在場所