Nature ハイライト
気候:太平洋の海流に関する現在の考え
Nature 522, 7556
西岸境界流は、大量の熱を緯度方向に輸送できる、幅が狭く流れの速い海流である。北米東岸のメキシコ湾流のような一部の西岸境界流は、主に単一の海岸線に沿って流れるため、比較的研究しやすい。しかし西太平洋では、状況はより複雑で、複数の境界流が衝突していて、島や海嶺を通り抜け、曲がりくねった海岸線に沿って流れる。D Huたちは今回、西太平洋の境界流を概観し、こうした境界流がエルニーニョ/南方振動、インドネシア通過流、アジアモンスーン、南シナ海の海洋循環などに及ぼす広範囲の影響について検討している。過去15年間で観測研究がかなり進展したにもかかわらず、現在の状態と将来起こり得る変化の両方について、大半の側面がまだほとんど分かってない。著者たちは、気候が変動する中で、海域の質量収支を合わせたり、西太平洋の境界流を確実に予測したりするには、大きな概念的進歩と技術的な進歩が必要であると示唆している。
2015年6月18日号の Nature ハイライト
気候:太平洋の海流に関する現在の考え
神経科学:空間記憶の性質
感染症:新たな抗マラリア薬
惑星科学:小さな系外惑星の構造
有機金属化学:カルボニル付加物を形成する非遷移金属
神経科学:快い記憶はうつ様行動を抑える
神経変性:シヌクレインのバリアントが異なる病態を引き起こす
がん:METの抗腫瘍作用
細胞生物学:小胞体ファジー受容体の存在場所