Nature ハイライト
有機金属化学:カルボニル付加物を形成する非遷移金属
Nature 522, 7556
遷移金属は複数の一酸化炭素分子(CO)を結合したり放出したりできるため、この性質が、工業規模の酢酸製造や、ヒドロゲナーゼによる水素分子の酵素的酸化など、多くの化学過程のカギとなっている。遷移金属以外の元素、すなわち主族元素では、その電子配置ゆえに、遷移金属のような錯体化/脱錯体化挙動がほとんど見られない。ホウ素は主族元素であり、H Braunschweigたちは今回、2つのCOユニットが中心のホウ素原子と直接結合したボリレン・ジカルボニルというホウ素系化合物と、CNユニットを複数含有する類似体を単離した。こうした化合物は、空気や湿気に対して非常に安定であり、遷移金属–CO化合物と似た化学的反応性も示す。
2015年6月18日号の Nature ハイライト
気候:太平洋の海流に関する現在の考え
神経科学:空間記憶の性質
感染症:新たな抗マラリア薬
惑星科学:小さな系外惑星の構造
有機金属化学:カルボニル付加物を形成する非遷移金属
神経科学:快い記憶はうつ様行動を抑える
神経変性:シヌクレインのバリアントが異なる病態を引き起こす
がん:METの抗腫瘍作用
細胞生物学:小胞体ファジー受容体の存在場所