Nature ハイライト
感染症:新たな抗マラリア薬
Nature 522, 7556
マラリアの病原体である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)にアルテミシニン耐性が広がっていることから、この原虫を標的とする新たな治療法の開発が緊急に求められている。今回I Gilbertたちは、熱帯熱マラリア原虫の複数の生活環ステージに対して抗マラリア活性を持ち、望ましい薬物動態特性と安全特性を有する化合物DDD107498を発見したことを報告している。この化合物は変異原性がなく、単回投与による治療と週1回投与による化学保護という2通りの使い方ができる可能性がある。DDD107498は、転写伸長因子eEF2を標的として細胞質タンパク質の合成を阻害することで作用する。
2015年6月18日号の Nature ハイライト
気候:太平洋の海流に関する現在の考え
神経科学:空間記憶の性質
感染症:新たな抗マラリア薬
惑星科学:小さな系外惑星の構造
有機金属化学:カルボニル付加物を形成する非遷移金属
神経科学:快い記憶はうつ様行動を抑える
神経変性:シヌクレインのバリアントが異なる病態を引き起こす
がん:METの抗腫瘍作用
細胞生物学:小胞体ファジー受容体の存在場所