Nature ハイライト
神経科学:空間記憶の性質
Nature 522, 7556
空間作業記憶は、脳の前頭前野諸領域と海馬との間の活動協調を通じて維持されているが、これらの脳領域間の解剖学的結合状態の詳細や、どのような時間スケールで働いているのかはよく分かっていなかった。今回J Gordonたちは、空間手掛かりの正しい符号化に必要な前頭前野–海馬間の直接結合路を明らかにした。この経路は、手掛かりの保持や取り出しには必要でない。空間作業記憶課題の符号化の段階で、海馬の情報は前頭前野の神経ユニットに送られ、符号化の成功には、これら2つの脳構造間に、ガンマ振動数帯域のネットワーク活動の同調が必要である。これらの知見は、空間情報の持続的更新に、海馬–前頭前野間の直接入力が非常に重要なことを示している。
2015年6月18日号の Nature ハイライト
気候:太平洋の海流に関する現在の考え
神経科学:空間記憶の性質
感染症:新たな抗マラリア薬
惑星科学:小さな系外惑星の構造
有機金属化学:カルボニル付加物を形成する非遷移金属
神経科学:快い記憶はうつ様行動を抑える
神経変性:シヌクレインのバリアントが異なる病態を引き起こす
がん:METの抗腫瘍作用
細胞生物学:小胞体ファジー受容体の存在場所