Nature ハイライト
神経変性:シヌクレインのバリアントが異なる病態を引き起こす
Nature 522, 7556
シヌクレイノパチーは、α-シヌクレインを多く含んだタンパク質の蓄積を特徴とする神経変性疾患群で、パーキンソン病、レヴィー小体認知症、多系統萎縮症などが含まれる。異なった構造的特徴を持つα-シヌクレイン凝集体が複数発見され、これらの異なる神経変性疾患の病態の違いは、このような「株」の違いで説明できるという仮説が出されている。今回、異なったヒトα-シヌクレイン株(オリゴマー、リボン、原繊維)をin vivoでラットの脳に注入すると、株に応じた増え方で広がり、異なった病理学的表現型および神経毒性表現型が生じることが分かった。この研究は病気の診断と予後に重要な意味を持ち、特定のシヌクレイノパチーに合わせた治療戦略の開発につながる可能性がある。
2015年6月18日号の Nature ハイライト
気候:太平洋の海流に関する現在の考え
神経科学:空間記憶の性質
感染症:新たな抗マラリア薬
惑星科学:小さな系外惑星の構造
有機金属化学:カルボニル付加物を形成する非遷移金属
神経科学:快い記憶はうつ様行動を抑える
神経変性:シヌクレインのバリアントが異なる病態を引き起こす
がん:METの抗腫瘍作用
細胞生物学:小胞体ファジー受容体の存在場所