Nature ハイライト
太陽系外惑星:消えかかった白色矮星の周りを回る崩壊しつつある惑星
Nature 526, 7574
白色矮星が核燃料を全て使い果たすと、ヘリウムよりも重い元素はその星の内部に沈降すると考えられている。しかし、多くの白色矮星の大気には重元素が含まれている。こうした大気における重元素存在比は太陽系の岩石質の天体に似ているため、この「余分な」元素が惑星に由来する可能性が示唆される。今回、白色矮星WD 1145+017を4.5~4.9時間の周期でトランジットしている、1つ以上の崩壊しつつある微惑星の観測結果が報告されている。4.5時間ごとに生じている最も強いトランジットシグナルから、この微惑星は塵状の流出物からなる彗星の尾のようなものを持つ小天体と考えられる。この系によって、重元素による白色矮星の汚染が、崩壊した小惑星や小さな天体などの岩石質に由来することを示す新しい証拠がもたらされた。
2015年10月22日号の Nature ハイライト
がん:慢性リンパ性白血病のドライバー遺伝子
がん:慢性リンパ性白血病で発現する遺伝子群
微生物学:微生物が連携するための新しい機構
構造生物学:光に依存した遺伝子調節に関する新しい手掛かり
太陽系外惑星:消えかかった白色矮星の周りを回る崩壊しつつある惑星
流体力学:乱流の見取り図
量子物理学:量子カオス励起子ポラリトン系における非エルミート動力学
進化学:鳥類系統の見直し
生態学:生物多様性の喪失が生態系の安定性を脅かす
遺伝学:タンパク質FTOの働きのストレスによる調節