Nature ハイライト
生態学:生物多様性の喪失が生態系の安定性を脅かす
Nature 526, 7574
極端な気象イベントが生態系に及ぼす影響を生物多様性が緩和しているのかどうかを検証した研究で、極めて対照的な結果が得られた。今回F Isbellたちは、草原の植物多様性を操作して生産力を測定したヨーロッパと北米各地の実験区46か所のデータを総合し、確かに生物多様性が、極端な気象イベントに対する生態系の抵抗性を高めていることを見いだした。種数がわずかな区画では、極端な気象イベントの期間中に生産力が50%低下したが、種数が多い区画では影響がその半分にとどまった。しかし、生態系の復元力には生物多様性の影響がほとんど認められず、生物多様性が低くても高くても、生態系は極端な気象イベントから1年以内に回復した。
2015年10月22日号の Nature ハイライト
がん:慢性リンパ性白血病のドライバー遺伝子
がん:慢性リンパ性白血病で発現する遺伝子群
微生物学:微生物が連携するための新しい機構
構造生物学:光に依存した遺伝子調節に関する新しい手掛かり
太陽系外惑星:消えかかった白色矮星の周りを回る崩壊しつつある惑星
流体力学:乱流の見取り図
量子物理学:量子カオス励起子ポラリトン系における非エルミート動力学
進化学:鳥類系統の見直し
生態学:生物多様性の喪失が生態系の安定性を脅かす
遺伝学:タンパク質FTOの働きのストレスによる調節