Nature ハイライト

電子工学:ナノスケールの機械スイッチ

Nature 433, 7021

コンピューター内部の論理回路は、そのうち機械的なリレースイッチで作られるようになるかもしれない。以前は論理回路機械として半導体デバイスやその前身である真空管が使われていたが、今度の機械スイッチはもっと小さくなる。この新しいナノスケールのデバイスは、性能と製造の両面で利点をもつと考えられる。すなわち、現在の半導体デバイスと同じくらい速く、室温・大気中で非常に低電圧(600 mV)で動作し、作るのも容易である。 今週号では長谷川剛たちが、新しい「量子化コンダクタンス原子スイッチ(QCAS)」を報告している。彼らのナノデバイスは、わずか1 nm離れた2つのワイヤー間で「原子架橋」が成長したり収縮したりすることによって形成される。固体電解質の一方のワイヤーから架橋が形成され、小さい電圧に応答して原子の架橋で回路を閉じたり開いたりする。少し修正するとこのデバイスは論理回路に変更でき、計算やおそらく現存のものよりはるかに高密度な情報記憶に使えるようになる。

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