Nature ハイライト

地球:地下にしまい込む

Nature 433, 7021

今週号の研究によると、水や水素などの始源的な揮発性物質は、最終的には地球の外側の層を形成することになる塵や岩に、太陽風によって埋め込まれたらしい。 C J Ballentineたちは米国ニューメキシコ州の地下の上部マントルに由来するネオンとヘリウムガスについて同位体比を測定した。これらの同位体比は、太陽風の高エネルギー粒子によるイオンの埋め込みを受けた隕石のものと大変よく似た値を示している。 「興味深いことに、この結果は地球外周部の集積過程においては大量の太陽風のイオンに曝された粒団状の物質が支配的であったことを示している」とD W GrahamがNews and Viewsで述べている。 これまでは、深部マントルに由来する揮発性物質は、地球が冷却する前に存在した熔けたマグマの海が地球形成初期の大気から吸収したものと考えられてきた。新しいデータでは、大洋中央海嶺で新しい海洋地殻を形成する部分のマントルと、マントル最深部にあると考えられる海洋島玄武岩の生成源との間の交換は極めて限定的であることが示唆される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度