Nature ハイライト
宇宙論:「再電離している」銀河の観測
Nature 529, 7585
初期宇宙は、宇宙の「暗黒時代」と呼ばれる時期を経ている。この暗黒時代には、物質は放射に対してほぼ透明で、中性ガスになっていた。その後、ビッグバンの約8億年後に、ガスは再び電離した。この再電離の原因になったのは何だろうか。最も有力な候補は低質量の星形成銀河だが、こうした銀河の観測は難しい。今回Y Izotovたちは、再電離している銀河種族の代わりとなり得る、近傍にある低質量の星形成銀河の遠紫外観測結果を報告している。この銀河J0925+1403からは、電離放射が脱出率約8%で漏れ出ている。スターバースト段階で放出される光子の総数は、銀河の恒星質量の約40倍の銀河間物質を電離するのに十分なものである。
2016年1月14日号の Nature ハイライト
進化生態学:一目で分かる植物の多様性
がん:がん幹細胞のサポート機構
宇宙論:「再電離している」銀河の観測
有機化学:鉄触媒を用いたトリチウム標識法
古気候学:近い将来に新たな氷期が訪れることはなさそうだ
植物生態学:樹木の競争力に影響を及ぼす重要な形質
微生物生態学:腸内微生物相に与える食餌の影響
心血管生物学:FOXO1は血管増殖のチェックポイントの1つである
免疫学:2型免疫における上皮刷子細胞
構造生物学:ホロ非リボソームペプチドシンテターゼ