Nature ハイライト
免疫学:2型免疫における上皮刷子細胞
Nature 529, 7585
寄生蠕虫類やアレルゲンに対する「weep and sweep」応答、つまり分泌液や粘液の分泌と組み合わせて腸の推進運動を増加させることで寄生虫が排除される応答は、2型自然リンパ球(ILC2)の活性化が関わる2型免疫、つまりアレルギー性免疫の徴候である。小腸の上皮は、刷子細胞(タフト細胞)などの5種類以上の細胞系譜から構成されるが、それらの細胞の機能は分かっていなかった。今回、寄生虫に対する応答の際の刷子細胞の役割が、2つの研究グループによって明らかにされた。R Locksleyたちは、刷子細胞がインターロイキン25(IL-25)の産生源であることを実証している。IL-25はILC2の活性化、ILC2によって調節される刷子細胞と杯細胞の増殖、また寄生虫感染の制御に必要とされる。一方P Jayたちは、刷子細胞がIL-13/IL-4Rαに依存するフィードバックループを介してIL-25を分泌することを明らかにしている。
2016年1月14日号の Nature ハイライト
進化生態学:一目で分かる植物の多様性
がん:がん幹細胞のサポート機構
宇宙論:「再電離している」銀河の観測
有機化学:鉄触媒を用いたトリチウム標識法
古気候学:近い将来に新たな氷期が訪れることはなさそうだ
植物生態学:樹木の競争力に影響を及ぼす重要な形質
微生物生態学:腸内微生物相に与える食餌の影響
心血管生物学:FOXO1は血管増殖のチェックポイントの1つである
免疫学:2型免疫における上皮刷子細胞
構造生物学:ホロ非リボソームペプチドシンテターゼ