Nature ハイライト
構造生物学:ホロ非リボソームペプチドシンテターゼ
Nature 529, 7585
抗生物質のバンコマイシンや免疫抑制剤として使われるシクロスポリンAのような非リボソームペプチドは、微生物により産生されるペプチド性二次代謝産物である。非リボソームペプチドシンテターゼ(NRPS)は、複数の触媒ドメインを使って生合成経路での反応段階を逐次触媒していく巨大酵素群のファミリーで、このような「天然物」の生合成に関わっている。今回2つの研究グループにより、NRPSはこれまで考えられていたよりもずっと大きな動的変化を起こすことを示すX線結晶構造が報告された。A Gulickたちは、2つのホロ非リボソームペプチドシンテターゼモジュールについて調べ、触媒サイクルでこれらのモジュールがそれぞれ関わっている別々の段階を明らかにしている。また、M Schmeingたちは、抗生物質グラミシジンの生合成に関わっているLgrAの複数の構造を報告している。
2016年1月14日号の Nature ハイライト
進化生態学:一目で分かる植物の多様性
がん:がん幹細胞のサポート機構
宇宙論:「再電離している」銀河の観測
有機化学:鉄触媒を用いたトリチウム標識法
古気候学:近い将来に新たな氷期が訪れることはなさそうだ
植物生態学:樹木の競争力に影響を及ぼす重要な形質
微生物生態学:腸内微生物相に与える食餌の影響
心血管生物学:FOXO1は血管増殖のチェックポイントの1つである
免疫学:2型免疫における上皮刷子細胞
構造生物学:ホロ非リボソームペプチドシンテターゼ