Nature ハイライト
免疫学:ウイルスの免疫回避機構
Nature 529, 7587
ペプチド輸送体TAPは、主要組織適合性複合体クラスI(MHC I)による抗原提示と細胞性免疫に重要な役割を果たしている。今回、TAPの低温電子顕微鏡構造が、J Chenたちによって初めて報告された。解かれたのは、ヘルペスウイルスのタンパク質ICP47と複合体を形成したTAPの構造である。この構造から、ヘルペスウイルスタンパク質がTAPのペプチド移動通路にヘアピン状の長いらせんを差し込んでふさぎ、ウイルス抗原が小胞体に入るのを妨げて免疫回避を容易にする仕組みが明らかになった。
2016年1月28日号の Nature ハイライト
生物工学:高精度の遺伝子編集
微生物学:細菌感染の際のRNA発現
宇宙物理学:星形成にあった2回目のチャンス
健康科学:プラスチックでできたウエアラブル汗成分バイオセンサー
神経科学:虚血で損なわれるTRPチャネル
幹細胞:HSCのリンパ球系細胞への分化能の維持
免疫学:制御性T細胞のFoxo1調節
免疫学:ウイルスの免疫回避機構
がん:p53がん抑制因子のウイルスによる乗っ取り
構造生物学:E3リガーゼによるユビキチンの移動