Nature ハイライト
幹細胞:HSCのリンパ球系細胞への分化能の維持
Nature 529, 7587
造血系細胞系譜の維持にミトコンドリアが果たす役割については、まだ詳しく調べられていない。H Snoeckたちは今回、造血幹細胞(HSC)調節因子であるPrdm16が、ミトコンドリアの融合や小胞体のミトコンドリアへの係留を調節するmitofusin 2(Mfn2)の発現を誘導することを明らかにした。HSCにおけるMfn2レベルを調節することで、リンパ球系細胞への分化能を持つHSCの維持にMfn2が必須であることが確認された。その機構は、Mfn2がカルシウムシグナル伝達を調節して転写因子Nfatを負に調節し、リンパ球系の細胞系譜を維持するというものである。
2016年1月28日号の Nature ハイライト
生物工学:高精度の遺伝子編集
微生物学:細菌感染の際のRNA発現
宇宙物理学:星形成にあった2回目のチャンス
健康科学:プラスチックでできたウエアラブル汗成分バイオセンサー
神経科学:虚血で損なわれるTRPチャネル
幹細胞:HSCのリンパ球系細胞への分化能の維持
免疫学:制御性T細胞のFoxo1調節
免疫学:ウイルスの免疫回避機構
がん:p53がん抑制因子のウイルスによる乗っ取り
構造生物学:E3リガーゼによるユビキチンの移動