Nature ハイライト
がん治療:発がん性非コードRNA
Nature 531, 7595
既知のがん遺伝子MITFは第3染色体の3p13–3p14領域にあり、この領域は黒色腫で増幅が見られ、予後不良と関連している。今回、長鎖非コードRNAのSAMMSONもこの領域に存在し、MITFと共に増加していることが報告された。SAMMSONはp32と相互作用し、発がん促進的な様式でミトコンドリア機能に影響を及ぼす。黒色腫細胞でSAMMSONを欠失させると、in vitroと患者由来の異種移植片モデルで、MAPKを標的とした治療に感受性を示すようになる。これらの結果は、SAMMSONが、悪性腫瘍の有用なバイオマーカーとなる可能性があること、そして抗黒色腫治療の標的となることを示している。
2016年3月24日号の Nature ハイライト
有機化学:触媒を用いたオレフィンメタセシス反応
微生物海洋学:宿主を生かす海洋ファージ
がんゲノミクス:p53近接遺伝子群が腫瘍発生に関与する
惑星科学:月の極移動
人間行動学:正直は最善の策
人類学:旧石器時代の食物加工
進化生物学:中期更新世のスペインにいたヒト族はネアンデルタール人に近縁だった
神経科学:失われた記憶を取り戻す
がん免疫学:転移に対する最初の免疫応答
がん治療:発がん性非コードRNA
免疫学:アミノ酸欠乏による腸炎症の軽減