Nature ハイライト
がん遺伝学:海洋生物種に見られる伝播性のがん
Nature 534, 7609
伝播性の腫瘍は非常に珍しいが、有袋類のタスマニアデビルやイヌ、さらに最近ではオオノガイでも見つかっている。今回S Goffたちは、海産の二枚貝3種(ヨーロッパザルガイ、キタノムラサキイガイ、マルスダレガイ科のPolititapes aureus)にも伝播性の播種性腫瘍があることを明らかにした。P. aureusのがん系統は、別の近縁な二枚貝種から伝播したものだった。これらの知見は、伝播性の腫瘍がこれまで考えられていたよりも広く存在していることや、非常に珍しいが、種を越えたがんの伝播も起こり得ることを示唆している。
2016年6月30日号の Nature ハイライト
地球科学:アジアモンスーンの64万年間の記録
がん治療:併用療法でKRAS腫瘍を標的にする
発生学:初期胚におけるクロマチンの全体像
光学・フォトニクス:光に対する磁場
気候科学:森林生産力の季節変動
社会行動学:自己報酬としての攻撃行動
微生物遺伝学:細菌の低レベルの変異率を直接測定
微生物学:病原菌を歓待し過ぎのホスト
がん遺伝学:海洋生物種に見られる伝播性のがん
タンパク質折りたたみ:哺乳類ミトコンドリアのストレス応答