Nature ハイライト

構造生物学:コレステロール付きSmoothenedの構造

Nature 535, 7613

Gタンパク質共役受容体であるSmoothened(SMO)は、全ての動物でヘッジホッグ(Hh)シグナルを膜を越えて伝達する。SMOは発生の重要な調節因子であり、またがんタンパク質でもあって、がん研究の分野では薬剤標的となっているにもかかわらず、その活性化機構はまだ解明されていない。今回、システインに富んだ細胞外ドメイン(CRD)とリンカー、それに7ヘリックス膜貫通ドメイン(TMD)を持つSMOの3.2 Å分解能での結晶構造が解かれた。意外なことに、CRDの結合部位でSMOにコレステロール分子が結合していることが見いだされた。コレステロール結合を阻害すると予想される変異体は、SMOの本来のリガンドであるHhによるシグナル伝達活性を減弱させた。強力なアンタゴニストである抗がん剤のビスモデギブの結合は、多数のコンホメーション変化とCRD–リンカードメイン–TMD界面からのコレステロールの解離を引き起こすことも分かった。

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