Nature ハイライト

構造生物学:細菌細胞壁の完全性のカギとなるSEDSタンパク質

Nature 537, 7622

細菌外骨格のペプチドグリカンは、クラスAペニシリン結合タンパク質(PBP)により合成されると一般的に考えられている。今回D Rudnerたちは、枯草菌(Bacillus subtilis)での遺伝的操作、系統発生学的解析、機能実験を用い、SEDSファミリータンパク質が、クラスA PBPよりも広く保存されている主要なペプチドグリカンポリメラーゼであることを明らかにした。特に枯草菌において、桿菌の伸長に関与するRod複合体の広く保存された構成要素であるSEDSタンパク質RodAは、クラスB PBPと共に、細胞の伸長・分裂装置の主要な細胞壁シンターゼとして働くことが示された。著者たちは、枯草菌およびおそらくほとんどの細菌が、2つの異なるクラスのポリメラーゼを用いて外骨格を合成すると結論付けている。また、SEDSファミリータンパク質は抗生物質開発における有望な標的となり得ることも示唆された。

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