Nature ハイライト

地球力学:HIMU海洋島玄武岩の起源

Nature 537, 7622

海洋島玄武岩中のHIMU(高U/Pb比)成分の起源は、盛んに議論されている。今回Y Weissたちは、南太平洋とインド洋で得られた溶岩試料中のカンラン石斑晶の高精度微量元素分析について報告している。その結果は、HIMUマントル端成分の供給源が、これまで考えられていたような再循環した玄武岩質の海洋地殻ではなく、カーボナタイト流体による交代作用を受けたカンラン岩であることを示している。HIMUの供給源は、対流するマントルに取り込まれ、境界層内に蓄積され、マントルプリュームとして上昇し部分溶融して海洋島玄武岩になる以前に、始生代から前期原生代の沈み込みに関連したカーボナタイトの交代作用を受けた大陸下リソスフェアマントルとして形成されたと、著者たちは結論している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度